言志録 第63条
凡そ事 吾が分の已むを得ざる者に於ては、
当に之を為して避けざるべし。
已むを得べくして已めずば、これ則ち我より事を生ぜん。
自分とは、自ずから自律的に有ると同時に、
分限をもち、全体に対する部分として存在だといわれる。
まさしく、部分でありながら、果たすべき役割があり、
それは、自然な自らの働きとしてもそうであるので、
無理に止めることができないし、全うするべきものである。
自らの役目、義務から逃れようとしてはいけない。
避けてはいけない。
これが、一人ひとりのかけがえのなさでもあり、
それが、天分である所以である。使命である所以である。
その逆も真なり。
部分が全体を冒すことになる。
他のかけがえなさを侵すことになる。
起こらなくてよい問題の元である。
己れの出るべきところ、控えるところを弁えることが必要だ。
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