提一燈。行暗夜。勿憂暗夜。只頼一燈。
“一燈を提げて暗夜を行く。暗夜を憂えることなかれ。只一燈を頼むのみ。” 佐藤一斎「言志晩録」十三条

2011年8月3日水曜日

わたしの(好きな)言志四録 その63

110802

言志録 第63条




凡そ事 吾が分の已むを得ざる者に於ては、
当に之を為して避けざるべし。
已むを得べくして已めずば、これ則ち我より事を生ぜん。


自分とは、自ずから自律的に有ると同時に、
分限をもち、全体に対する部分として存在だといわれる。
まさしく、部分でありながら、果たすべき役割があり、
それは、自然な自らの働きとしてもそうであるので、
無理に止めることができないし、全うするべきものである。

自らの役目、義務から逃れようとしてはいけない。
避けてはいけない。
これが、一人ひとりのかけがえのなさでもあり、
それが、天分である所以である。使命である所以である。

その逆も真なり。
部分が全体を冒すことになる。
他のかけがえなさを侵すことになる。

起こらなくてよい問題の元である。
己れの出るべきところ、控えるところを弁えることが必要だ。

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