言志録 第103条
征、十が一に止(とどま)れば則ち井田(せいでん)なり。
経界、慢にせざれば則ち井田なり。
深く耕し易(おさ)め耨(くさぎ)れば則ち井田なり。
百姓(ひゃくせい)親睦すれば則ち井田なり。
何ぞ必ずしも方里九区に拘拘(くく)として、
然る後井田と為さんや。
(殷周時代の田制である)井田という税法は、
一里四方を9区に分ける形(8軒でそれを耕作し、中央の1区は年貢である)に
こだわってはならないという。
税の割合が定まり、みだりに上がらず、
区画の境界がぐらつかず、
しっかりと土地が活用され、
そこに生きる人々に争いがないことが重要であると。
3・11から半年。
何も変わらぬ現実。
そして
10年前に、アメリカで同時多発テロが起こった。(9・11)
そのことは、生業にするべく修行していた
炭焼きで夜の火の番をしていた時に、車のラジオで知った。
当時我が家にはテレビがなかった。
あれから10年か。
あの当時自分がめざしたのは、
土地を深く耕す暮らしだったと思う。
現実的には、生業としては、今も成り立たず、
変わったことは、5人から6人+1匹に家族が増えたこと、
サラリーマン生活になっていることだが、
心を深く耕すこと、人の暮らす集団の在り方の追求は、
今、10年たって、深化させてこれているとの自負はある。
あの前後でも、今でも、
実現すべきは、まさしく
「百姓親睦」
なのだと思う。