提一燈。行暗夜。勿憂暗夜。只頼一燈。
“一燈を提げて暗夜を行く。暗夜を憂えることなかれ。只一燈を頼むのみ。” 佐藤一斎「言志晩録」十三条

2011年7月10日日曜日

わたしの(好きな)言志四録 その40

110710

言志録 第40条




愛悪の念頭、最も藻鑑を累(わずら)わす。


一斎先生にして、
人を選ぶのに、好悪の気持がやはり邪魔になったのだろうと
推察される。

人情は大切であるし、これが人の世に潤いをもたらしてくれる。
家族においても、知友においても、
地域においても、国際関係でも、
人の情がないところに、
絆など成立しないのではと思われる。

しかし、その人情によって、
人物鑑定してはならない、判断がくもる。
結局、自他に対してどう客観的になれるかが問われる。

これは
修身、斉家、治国、平天下
どのレベルでも言えるのだと思う。

自分が好きか嫌いか、そんなところを超えた所に、自分の使命はある。
家族の中にも、仲の良し悪しはある。
性格などの好き嫌いも。
そんなものに左右されては育つものも育たない。
地域でもそうだろう。一国のあらゆるレベルの組織においてもそうだろう。

第37条で述べたように、リーダーとしては、
人情をわきまえて、人に接するべしと考え、
しかし、その人情から自由にならないと、
正しい判断ができないと、続けて述べるあたりが、
一斎先生の人間っぽいところで、好きなところだ。

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