言志録 第40条
愛悪の念頭、最も藻鑑を累(わずら)わす。
一斎先生にして、
人を選ぶのに、好悪の気持がやはり邪魔になったのだろうと
推察される。
人情は大切であるし、これが人の世に潤いをもたらしてくれる。
家族においても、知友においても、
地域においても、国際関係でも、
人の情がないところに、
絆など成立しないのではと思われる。
しかし、その人情によって、
人物鑑定してはならない、判断がくもる。
結局、自他に対してどう客観的になれるかが問われる。
これは
修身、斉家、治国、平天下
どのレベルでも言えるのだと思う。
自分が好きか嫌いか、そんなところを超えた所に、自分の使命はある。
家族の中にも、仲の良し悪しはある。
性格などの好き嫌いも。
そんなものに左右されては育つものも育たない。
地域でもそうだろう。一国のあらゆるレベルの組織においてもそうだろう。
第37条で述べたように、リーダーとしては、
人情をわきまえて、人に接するべしと考え、
しかし、その人情から自由にならないと、
正しい判断ができないと、続けて述べるあたりが、
一斎先生の人間っぽいところで、好きなところだ。
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