提一燈。行暗夜。勿憂暗夜。只頼一燈。
“一燈を提げて暗夜を行く。暗夜を憂えることなかれ。只一燈を頼むのみ。” 佐藤一斎「言志晩録」十三条

2011年9月5日月曜日

わたしの(好きな)言志四録 その97

110905

言志録 第97条




目を挙ぐれば百物皆来処有り。
軀殻の父母に出ずるも、亦来処なり。
心に至りては、則ち来処何(いず)くにか在る。
余曰く、軀殻は是れ地氣の精英にして、父母に由って之を聚(あつ)む。
心は則ち天なり。
軀殻成って天焉(これ)に寓し、天寓して知覚生じ、天離れて知覚泯(ほろ)びぬ。
心の来所は乃ち太虚是れのみ。


一斎先生の言われること、
肉体は地より、そして、心は天より来る。

身体を形作る原子・分子は、地球を形作るもの、
ひいては宇宙空間にただよう星のかけら、塵と同じもの。
それらが形を為して、父母より戴いたものと信ずることはできる。
その無機物、有機物の塊に、どこから「心」が宿るのか?

この身に天が宿るということが、どれだけ人を勇氣づけることか。
まさしく、天が我をして我ならしむるのだ(第10条)。

心は天である。空より出でて我が身に宿る。

まさしく天道をただしく発揮するために、
地道をただしく全うできるようにしなければならない。

この天道、地道、相俟つ教養人にならなければ、
吾が使命を全うすることができないことに気付きたい。

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