提一燈。行暗夜。勿憂暗夜。只頼一燈。
“一燈を提げて暗夜を行く。暗夜を憂えることなかれ。只一燈を頼むのみ。” 佐藤一斎「言志晩録」十三条

2011年9月8日木曜日

わたしの(好きな)言志四録 その100

110908

言志録 第100条




人君は社稷(しゃしょく)を以て重しと為す。
而れども人倫は殊に社稷より重し。
社稷は棄つ可し。
人倫は棄つ可からず。


君主は国家すなわち領地領民の為に奉仕すべき天命にそむくことはできない。
しかし、人倫すなわち人として踏み行うべき道を犠牲にしてまでも、
国家を擁護してはいけない。

人倫=五倫とは、「親・義・別・序・信」の五つで、
孟子の「教似人倫、父子有親、君臣有義、夫婦有別、長幼有序、朋友有信」から、
儒教における五つの基本的な人間関係を規律する五つの徳目であるという。

この五倫を蔑ろにする国家は存在に値しないし、君主の使命は、
この五倫が通用する国家のために奉仕することである。
国家の為に五倫が存在するというより、
五倫の為にこそ国家が存在するのだ。
逆ではない。

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