提一燈。行暗夜。勿憂暗夜。只頼一燈。
“一燈を提げて暗夜を行く。暗夜を憂えることなかれ。只一燈を頼むのみ。” 佐藤一斎「言志晩録」十三条

2011年6月10日金曜日

私の(好きな)言志四録 その10

110610

言志録 第10条


人は須らく自ら省察すべし。
「天、何の故にか我が身を生出(うみいだ)し、我れをして果して何の用にか供せしむる。
 我れ既に天の物なれば、必ず天の役あり。
 天の役共せずんば天の咎(とが)必ず至らむ。」
省察して此(ここ)に到れば則ち我が身の苟(いやし)くも生く可からざるを知らむ。


人は何のために生まれてきたのか。
天が生み出した、「天の物」である自分の心体には、
「天の役」があるはずなのだ。
第3条のいうように「天に事うるの心」を発揮し、
その天職を全うするために この世に生を受けたのだ。
無慈悲にも、その役が終われば、また、全うできない時には、
天にもどされることとなるのだ。
天の意にかなうこと、すなわち、
「天を師」(第2条)とすること。
そして、その天の意思を、人や先人の書物の助けを受けながら、
省察~自らに問い、見出し、気づいていく過程こそが人生なのだと改めて思う。

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