提一燈。行暗夜。勿憂暗夜。只頼一燈。
“一燈を提げて暗夜を行く。暗夜を憂えることなかれ。只一燈を頼むのみ。” 佐藤一斎「言志晩録」十三条

2011年9月11日日曜日

わたしの(好きな)言志四録 その102

110910

言志録 第102条




諺に云う、禍は下より起こると。
余謂う、是れ国を亡すの言なり。
人主をして誤りて之を信ぜしむ可からずと。
凡そ禍は皆上よりして起こる。
其の下より出ずる者と雖も、而も亦必ず致す所有り。
成湯之誥(こう)に曰く、
爾(なんじ)、万方(ばんぽう)の罪有るは予(わ)れ一人に在りと。
人主たる者は、当に此の言を監(かんが)みるべし。


国のトップのみならず、あらゆるリーダーにとって、
この殷王朝の湯王の勅語、「万方の罪有るは予れ一人に在り」は、
もって胆に銘ずるべき言葉である。
間違い、誤り、事故、災い、すべて原因があるとすれば、
それは上にいる者の方である。下に原因があったとすれば、
それも上がそれを助長しているか、そう仕向けているからであるという。

これは個々人についても金言である。
他に求めず、自らに原因を求め、自らからこそ変わるのだ。

0 件のコメント:

コメントを投稿