提一燈。行暗夜。勿憂暗夜。只頼一燈。
“一燈を提げて暗夜を行く。暗夜を憂えることなかれ。只一燈を頼むのみ。” 佐藤一斎「言志晩録」十三条

2011年7月20日水曜日

わたしの(好きな)言志四録 その50

110720

言志録 第50条




五穀自ら生ずれども、耒耜(らいし)を仮りて以て之を助く。
人君の財成輔相も、亦此れと似たり。


耒耜(らいし)とは、「鋤」のことで、大地自然の働きの、手助けをするためのもの。
鋤を使う人間は補佐役で、あくまで主役は五穀=自然である。
国家人民の営みを手助けするのが、君主の役割だが、あくまで補佐役であるというのだ。
経世済民を担う役割は、やはり補助役なのであって、主役は国家であり、また、その民の生活である。

「奇跡のリンゴ」を実現した木村秋則さんも、
自然の働きの手助けをしただけと言うだろう。
天の働きを、天の意思を、実現する、また、実現が可能になる条件をつくる。
その手助けをする。

天=大自然は、人間を通して、それぞれの人間にそれぞれの役割を託して、
何事かを為そうとしているのか、
大自然の働きそのものの自己実現的な生成展開があるのか、
そんなことも、自然を師に(第2条)、学び感得できていけたらと思う。

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