提一燈。行暗夜。勿憂暗夜。只頼一燈。
“一燈を提げて暗夜を行く。暗夜を憂えることなかれ。只一燈を頼むのみ。” 佐藤一斎「言志晩録」十三条

2011年7月4日月曜日

わたしの(好きな)言志四録 その34

110704

言志録 第34条


少年の時は当に老成の工夫を著すべし。
老成の時は当に少年の志気を存すべし。


40代が老成の年代であれば、
その40代のアドヴァイスを、少年は受け入れるべし。
若さが特権の少年だからこそ、わずかばかりの気配りが功を奏するのだ。

一斎先生お気に入りの対比の妙もあるが、
これはまさに40代の
少年でもない、老成もしてない、
そのような状態の時に実感することかもしれない。

もう少年ではない、だが、あの時の勢い、初心を失ってはならない。
まだ老成してない、だが、若い時に失敗した教訓を忘れてはならない。

五十代後半から八十代まで書き続けられた、
後の三冊と比べた時に、
四十代に書かれた 最初の 言志録の
直截的・直感的な書かれ方に、多少 違和感を覚えることがある。
同様の内容について書かれても、
後の三冊の方が、練られている印象がある。

言志録第29条「大徳は閑を踰えざれ。/小徳は出入すとも可なり。/此を以て人を待つ。/儘好し。」
では、人に具わる徳の大小にこだわりが見受けられるが、

後録第33条「春風を以て人に接し/秋霜を以て自ら粛す。」の簡潔さには、
まさしく 人の徳の大小を云々しない、「老成の工夫」が見受けられる。

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