提一燈。行暗夜。勿憂暗夜。只頼一燈。
“一燈を提げて暗夜を行く。暗夜を憂えることなかれ。只一燈を頼むのみ。” 佐藤一斎「言志晩録」十三条

2011年7月5日火曜日

わたしの(好きな)言志四録 その35

110705

言志録 第35条


物を容るるは美徳なり。
然れども亦明暗あり。


人には、その人なりの度量があり、
その度量の範囲で、
世事や人や物事を受け入れることで、
人の人生は形作られる。

何でも受容できる懐の大きさは、
その人の魅力でもあるし、
まさしく美徳ではある。

自分の器の大きさの中で、
受け取ることのできる物は何か。
極上のピンから最悪のキリまで。
どんな範囲の物でも、容れることのできる度量、
それは、その人の徳である。

その玉石混淆の物は良くも悪くも人生に影響を与える。
物を容れることで良くもなれば、悪くもなる。
その振れ幅そのものが、その人の人生の幅なのだろう。
それを受け入れられる限度が、まさしくその人の徳である。

どうやって器を大きくするか。
学問しかない。
修養しかない。

器が大きくなればなるほど、
自らの天命の活かされる範囲が広がるのだと思う。

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