提一燈。行暗夜。勿憂暗夜。只頼一燈。
“一燈を提げて暗夜を行く。暗夜を憂えることなかれ。只一燈を頼むのみ。” 佐藤一斎「言志晩録」十三条

2011年8月3日水曜日

わたしの(好きな)言志四録 その64

110803

言志録 第64条




才は猶お剣(つるぎ)のごとし。
善く之を用うれば、則ち以て身を衛(まも)るに足り、
善く之を用いざれば、則ち以て身を殺すに足る。


昨年のアジア大会で優勝した日本代表サッカーの
本田選手がのちに振り返って言った言葉、
「自分の個人技は
チームを勝たせることのできる個人技のレベルになっていなかった」
だからチームプレー、フォア・ザ・チームに徹したと。

自らの技を見極めることのできるほどの技術のレベルとともに、
謙虚さを感じさせられ、彼の今後の成長への期待をも抱かせてくれる言葉。

全体に役立たない技は、チームを勝たせることができないし、
その技にこだわるような選手は必要とされないから、
チームに迷惑をかけるばかりか、身をも滅ばす。

自らの才能を 私してはならない。
第61条第62条はそう伝える。
才を善く用いるとは、全体への貢献のために自らの才能を提供すること。
それによって、全体が生かされるのみならず、
個の生かされる道も、それに尽きる。

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