言志録 第62条
凡そ人と語るには、須らく渠(かれ)をして其の長ずる所を説かしむべし。
我に於て益有り。
第61条で「語るべし」とされる「一芸の士」。
世の為、人の為に語るべし。
そして聞き手はどうか。
語り手が、自らの長所、
すなわちその人の使命、分限を語ることのできるように、
聞く態勢をもって臨むべし。
聞く耳を持って、その人が自らの天命を語ることができ、
その使命を全うできるように。
話し上手は聞き上手と言われるが、
決して人の愚痴を聞いてやることが益になるとは言えない。
それよりも「長ずる所」を語らせる、
その人の使命に気づかせること、そのことが、
世の為、人の為となる。
我にとっての益は言うに及ばず。
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