提一燈。行暗夜。勿憂暗夜。只頼一燈。
“一燈を提げて暗夜を行く。暗夜を憂えることなかれ。只一燈を頼むのみ。” 佐藤一斎「言志晩録」十三条

2011年8月1日月曜日

わたしの(好きな)言志四録 その62

110801

言志録 第62条




凡そ人と語るには、須らく渠(かれ)をして其の長ずる所を説かしむべし。
我に於て益有り。


第61条で「語るべし」とされる「一芸の士」。
世の為、人の為に語るべし。

そして聞き手はどうか。
語り手が、自らの長所、
すなわちその人の使命、分限を語ることのできるように、
聞く態勢をもって臨むべし。
聞く耳を持って、その人が自らの天命を語ることができ、
その使命を全うできるように。

話し上手は聞き上手と言われるが、
決して人の愚痴を聞いてやることが益になるとは言えない。
それよりも「長ずる所」を語らせる、
その人の使命に気づかせること、そのことが、

世の為、人の為となる。

我にとっての益は言うに及ばず。

0 件のコメント:

コメントを投稿